おっさんの居ない生活は無気力。

好きなものを残酷なまでに好きでいたいと思うが故にやかましい記事ばかりだなと思う今日この頃。(Twitter→shiogi2113&ewan3112)

"禁止"シリーズに魅了されている話②

前回の続きではありませんが、

同じ括りにしておきます。

 

遡ること2年前、

GRANRODEOのLIVE物販待機の間に一気読みした出版禁止。

昨年に新作が出たのですが、長らく詰んでおりました。

知っている人は知っている、"放送禁止"シリーズの小説版!前回の出版禁止は見事に騙されまして、今回こそ真実に辿り着きたい...。 #事実を積み重ねることが真実に結びつくとは限らない#あなたには真実がみえましたか?#長江俊和#出版禁止

(8/23日の投稿なので、一年越しの読破)

 

今回もGRANRODEOのLIVE物販待機中に

電子書籍版で読みました(雨だったから)

 

あらすじ
幼児ふたりを殺した罪で、確定死刑囚となった男。鬼畜とよばれたその男、望月は、

法廷でも反省の弁をひとことも口にしなかった。

幼い姉弟は死ぬべき存在だった、とも――。

本書の「編纂者」はこう書いている。

「人の悪行を全て悪魔のせいにできるなら、これほど便利な言葉はない」。

今回ももちろんフィクションですが、

実際に起こった事件なども丁寧に織り込まれているので、フィクション...だよな..?と頭を抱えたくなる。

そして、前回のような初見殺しの細工はなく、

和歌の中に別の文章が隠されており、

しかも解き方や途中までの答えを教えてくれるという、馬鹿でも(言い方)考察できるような作品でした。

 

今回は究極のネタバレをしたいので

自分で解きたい方はここでお引き取り下さい!

 

こちらはネタバレなしです↓

 

*****

 

 

 

こういう時って、

どれくらい行間空けるのが正解?w

 

 

 

亡くなった二人の幼児を殺したのは実の両親なのではないかと序盤から疑える描写があり、ずっと引っかかっていた。復讐も虐待も連鎖してしまうもの。どこかで断ち切らなければならない。その為には...。

 

*****

 

禁止シリーズのキャッチコピーである

"事実を積み重ねることが真実に結び付くとは限らない"

小説でもしっかり演出されていました。

長江さんはんぱねー!(語彙力)

明らかに見え隠れしている存在が物語のキーパーソン(禁止シリーズあるある)であることを考えると"最後の一行"に驚くこともなく、何十回と出てくる望月の和歌に隠された言葉も自ずと浮かび上がってくる。

 

鬼と化す 経ては暗闇 今もなお 割った鏡に地獄うつりて

全て おわった

川面浮く 衣はなき花冠 生の地を 発つ子咎なき 流れては消え

もう悔いはなき 命を絶つことが

耳すまし 三途渡しの 音が愛し 真綿死の色 在世死の毒

私の願い 私の贖罪

血反吐吹く 雌雄果てたり 森の奥 白に滲むな 死色の赤よ

復讐は虚しい

鉄格子 飽く間に過ぎる 仇討ちか 蔦目も憎き 獄の窓より

悪魔に打ち勝つ為

死子に櫛 身の隅々も 清められん 沙汰血切る神 累々の死屍

憎しみ断ち切る

邪の視線 ぶつ手止まらず 柔い皮 擦れて滲む血 子の息止まる

全部忘れて

姉が伏す 身鳴き身は息 蠟少女 命に怒れ 手よ烏や雲に

xxx君は生きろ これでようやく

硬き舌 奇術(とりっく)の如き 赤木札 楽になりにし 四つの眼

辿り着く 補陀落

暮れゆくも 薄く立つ霧 闇深き 妖花に和える 呪い草かな

もうすぐxxxに会える

 

一応名前は伏せましたがあんまり意味はないかも。

望月は娘が冤罪で自殺を選んだ責任を感じ、

望月自身も冤罪で死刑になることを望んだ。

それが娘への贖罪。

前述したように、復讐も虐待も連鎖するものだから、どこかで断ち切らなければならない。

理解はできるけれど、それでいて救いもなく、

なんとも言えない顛末でしたが、『君は生きろ』という望月の言葉を信じ、彼女には生き続けてほしいと私も思う。

 

 

 

おしまい。